2018/09/30掲載
津幡町テニス協会
津幡町ダブルス選手権
もっとも熱い大会
津幡町ダブルス選手権は,津幡町テニス協会の中ではもっとも熱い大会といってもいいのではないかと思う。もちろん,現在の選手権と呼ばれる大会ではシングルスがナンバーワンを決める大会であり,もっとも人気が高いのは事実である。私たちの市町村レベルの大会ではダブルスに人気が集まっているとはいえ,やはりシングルス選手権こそがチャンピオンを決める。
津幡町テニス協会の発足当時は,協会長の前田猛夫氏の実力が傑出しており,これを破る者が現れるまでに何年もかかるという状況があった。それが,やがて石川高専から問谷武洋,北田幸彦氏らが加盟し,津幡町からも田中栄一,舟橋正人,井原美樹らが選手が育ってくるにつれて,ダブルス選手権が津幡町のもっとも熱い大会となっていったのである。
もう少し付け加えると,ダブルス選手権も前田猛夫・本田保夫ペアは長く郵趣の座を明け渡さなかった。しかし,そのペアが解消すると,次が前田さんが誰とペアを組むかということ,それに対抗できるペアは誰かということが関心事となっていったのである。
さて,参加者34名となった今年のダブルス選手権。どんなドラマが生まれるでしょうか。
雨・風・寒さの中
今年のダブルス選手権は9月9日。天気予報は終日,雨。そして風も強い。つい最近まで猛暑が荒れ狂っていた夏の日々が嘘のような,寒い一日となった。その中で集まったみなさんは,本当にテニスが好きなんだなあと思う。担当理事は1つでもたくさんのゲームができるよう, 1時間だけコートを1面多く借りあげた。そういう心遣いが,もっとも熱いと同時に,もっとも温かい大会となった。
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10数年ぶりに参加したという本田正代さんは「やっぱりこのフレンドリーな雰囲気がいいよね。久しぶりに試合に出てみたけど,満足です」。ペアの北田能子さんは,どんなときにも楽しくテニスをする名人だと思う。「1本でもちゃんと決まればそれでいいんだもん」という哲学はいまも変わらず,まわりの人をほっこりとした気持ちにさせてくれる。
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1回戦で本田・北田ペアと対戦した田辺雅美・阿蘇陽子さんは「やれやれって感じ」。といいながら2回戦でも優勝候補の吉本・亀田ペアに3ゲームを取る大健闘。「吉本さんの速い球と亀田さんの遅い球のコンビネーションにやられてしまった。あと1ゲーム取りたかったな」。
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もう一つの山に入った富田小夜子・江尻はるみさん。江尻さんは「若さに負けました。でも富田さんは負けてませんでしたよ。速い球を相手にラリーしてたし。すごいです」。とのことですが,当の富田さんは向こうむいてコメントなし。悔しかったのかな?聞こえなかったのかな?
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若手対決で惜しくも敗れた前田星佳・林綾乃さん。コメント聞けませんでした。あとから教えてね。追加するから。ごめんなさい。ちょっと関係ないかもしれないけど,前田さんのお父さん,優しいね。前田さんばかりじゃなくて,津幡テニス協会の人って,本当にジュニア選手のことを好きで,心から応援しているんだって思うな。
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親子で参加した杉本昌爾・杉本卓應さん親子ペア。息子「もっと練習しなきゃ。最初はもうラケットに球が当たらなかったけど,後半は調子が手きてよかったです」。父「当たれば球は僕より速いから頼りになります。後半,追い上げることができたのも息子のお陰です」。なんとも,うらやましい親子ですこと!
オープン大会への道
冒頭に述べたように津幡町ダブルス選手権は,シングルス選手権とともに,津幡町テニス協会のもっとも重要な大会である。しかし,最近では少し事情が変わってきている。ほとんどの人が自家用車を持ち,スマホという連絡網が容易に手に入るようになったいま,人々の活動範囲は市町村という枠では囲いきれなくなっている。気のあった仲間同士で参加するつばたチーム対抗戦に人気が集まるのも,一方でそういう事情があるからだろう。
津幡町選手権は,協会員だけでなく,ジュニア教室,石川高専からの参加があり,それが大会に豊かさを加えているのは事実である。そういう背景を考えれば,津幡町選手権をオープン大会にすることを考えてもよいのかもしれない。
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ジュニアから参加した中山祐也・上田選手「1回戦はミラクルが起こって逆転で勝ちを拾いました。でも,2回戦の荒木さんと大西さんの壁が厚くて。もっと練習してきます」
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高専からも3チームが参加してくれた。林爽貴・吉本隆太郎さん,中村隆浩・灰田悠人さん,長谷川央典・小林颯太さん。来週の月曜日からは期末試験が始まるという高専生は,教科書や問題集持参も。数学の勉強してたから写真撮りそびれてしまいました。コメントももらえなくてごめんね。シングルスにも来てください。待ってます。
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時間になっても現れない大浦謙治さん。忘れてたんでしょ,といわれると「忘れていなかったんだけど,日を間違えてたんだ」。ペアを組んだ村田寛幸さん「そういうのを忘れたっていうんじゃないの?」。漫才みたいだけど,楽しければそれでいいのだ。村田さんご本人は「走らなくてもできるテニスです。これからの理想の姿じゃないですか?」といつも明るさを忘れません。
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大型ペアとして,少し期待を集めていた橋場博・藤田祐一さん。気合い十分だったが「相手(荒木・大西ペア)は球が速くて,全然相手にならなかった」とややガックリ。
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その大型ペアに敗戦を喫した富田三津雄・中田雅明さんは「相手は試合中にこちらの話に全然乗ってこない。黙々とテニスするんだから,こっちが調子狂っちゃたよ」と得意の口撃を封じられてしまったらしい。
優勝スピーチを楽しく,そして感動的に!
今年は協会創立40周年の記念の年あり,大会ごとに優勝スピーチを聞かせていただいた。奇しくもこのダブル選手権は,大坂なおみ選手が日本人として初めてグランドスラム大会を制した日に行われ,その優勝スピーチを聞いた人も多いことだろう。これらのスピーチがうまいとか下手だとかいうつもりではないが,やはり,「優勝スピーチの練習」がたりないのではないか感じる。
たとえばジュニアの選手。これから大きな大会で優勝すればスピーチをしなければならない。優勝なんかできっこないからそんな必要ない,という選手もいるかもしれない。しかし,そう考えるから優勝できないのかもしれないのである。必ず優勝する,そのときはこんなスピーチをしようと考えることは優勝への近道となりうる。
たとえば,すでに(すっと前に)ジュニアを卒業しておられるみなさん。優勝する,表彰式がある,拍手が起こるという中で,参加者のみなさんを楽しませ,あるいは感動させるような一言を考えて欲しい。それもテニス大会の大切な要素ではあるまいか。
その意味で,次のシングルス選手権を楽しみにしたい。
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最後はじゃんけん大会となった男子決勝は6−4で荒木虎志・大西祐貴ペアが優勝。大西さんは「寒いから身体が冷えてきた。温め直さないとやばいすよ」といっていたが、じゃんけんとなって快勝した。荒木さん「そりゃ,優勝とか関係なく、試合をやりたかったですよ。あと1時間,晴れてくれれば」。次の機会に頑張ってね。(優勝前・優勝後)
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準優勝は中農学・三浦久和さん。三浦さん「僕の当たりが悪いから返って相手の調子が狂っちゃってここまできました」とあくまで控えめな様子です。スカッとするテニスの4人。この対戦,見たかったですね。
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姉妹で優勝を飾ったのは中川愛菜・中川茉優さん。姉「妹に助けられました」。妹「大人の方々はうまく弱点を攻めてくるので苦戦しました」。あれ,まだ子どもみたいだよ。マジ卍ってこんなポーズ?
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その姉妹にやられて準優勝の吉本律子・亀田智絵子さん。亀田さん「雨の中,頑張ったんですけどね。打っても打っても返ってくるし。若いっていいなと思いました」。吉本さん「バックにサーブを集めたり,緩いムーンボールを打ったりして。それでも勝てませんでした。きっとコーチがよかったんじゃない」。と最後は冗談交じりで締めてくれました。